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2023年11月22日 (水)

クロ現11/21「再開発はしたけれど・・・ まちづくりの落とし穴」

NHKの「クローズアップ現代」は、以前にもこのブログて「200棟以上の高層ビルの計画が東京で進行中。大丈夫なのか?」的な放送をしていたのを書いたように、興味深いネタをよく放送してくれますが、先日「再開発はしたけれど・・・ まちづくりの落とし穴」といったタイトルで、加熱する再開発の裏側での問題点などを特集していました。やっぱりな~という感じでした。

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「再開発」とは、一般的な用語として用いることもありますが、多くの場合は、都市開発法に基づく「市街地再開発事業」による開発のことを言い、仕組みとしては、細分化された土地や、火災等の恐れのある古い木造住宅等が建ち並ぶ区域において、それらの土地の地権者などからなる事業主が、大きな区画として、主に高層建物に建て替える(高層化で新しく「床」を生み出し、それをオフィスやマンションとして売却することで利益を得る)ことにより、道路や環境を整備したりして、地権者らは、建て替えられた建物のスペースを割り当てられ、「再開発は都市計画の一環」であり公共性が高い事業とのことで、「補助金」として税金が投入されたり、容積率を緩和したりなどのメリットが与えられ、全体として元を取りつつ環境を良くするといった内容のもの、というのが基本です。群馬でも、高崎駅東口などで30年ほど前には始められ、イーストタワー、美術館のある高崎タワー21などが初期に作られたものです。番組によれば、現時点で、具体的に進行しているものだけでも、全国で177件の再開発事業があり、高度成長期の建物の老朽化、コンパクトシティ化などにより、今後ますます増えるのではないかとしていました。

その問題点の説明として、

■建設費の高騰
■社会インフラへの負荷

を挙げ、下記の具体例を番組では紹介していました。
●北陸新幹線の延伸が予定されている福井駅前の再開発で、建設費の高騰などにより、再開発事業が遅れ、予定していた開通に間に合わせることができなくないどころか、事業が止まってしまいかねない状況に。そして予定より上がった億単位の工事費は、一般市民である地権者が負担する必要があるので、それはできないので、当初の計画から床面積を少なくし、高層部は、地権者らも老後に住みたいと、サービス付き高齢者住宅にするはずだったものが、より高く売れる分譲マンションへの変更を余儀なくされた。別の棟では、既に建設が進んでいて変更に限界があったので、投入される税金の増額などで対応する予定とのこと。
●近年、毎年1万人のペースで人口が増え続けているさいたま市、住民からの税収も増えたが、子どもの数が急激に増えたことに、学校の施設などが追いつかない(教室や校庭の不足など。もともと、タワマンができたエリアの「あるある」)、「子育てがしやすい」として移り住んだものの、そうした人が多過ぎて、小児科の予約がほとんど取れない、人口急増により、特にタワマンなどへの救急医療の提供が難しい(人口当たりの医師数は、政令指定都市で最下位で、転院先のベッドも逼迫が続くとのこと)。市内の救急医は、「公園や道路の整備と同様に、医療体制の整備も進めてほしい」と言う。

※番組HP「後悔しない住まい選び」
については、下記を紹介していました。
https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic039.html

出演した専門家である明治大学の野澤先生の話も含め、
●地方では、高層化して床を増やしたものの、買い手がつかなくて、結局税金でそれを買い取るなどのことも起こっている。
●建設費高騰などや床が余ることなどもふまえ、再開発事業が持つ公共性について、立ち止まって考え直す必要があるのではないか。
●神宮外苑の再開発についてユネスコも注文をつけたなどあったが、市民から高層ビル反対の声が上がるケースも増えている。これは、再開発の公共性というものに、行政や事業者と市民との間の認識の隔たりが大きくなってきていることが原因と思われる。今までの公共性は、駅前や道路の整備、火災対策などをスクラップアンドビルドで実現することが多く、その結果として、どこでも同じような再開発が行なわれているが、今、世論が求めている公共性は、もっと地域の個性や歴史などをふまえた都市のリニューアルなのではないか。
などの指摘をしていました。

さらには、より深刻な事態として、再開発事業を始めるにあたって必要になる「地権者の同意」の形成過程の仕方に問題があるケースが出て来ているとのことで、
●再開発エリアでもともと飲食店をしていた人が、再開発のデベロッパーから、「店は続けられるので心配はない、再開発をするとみなさんが潤う、マイナスなんかない」などと説明されて合意したものの、計画が具体的になる中で、店の面積が半分になることを知らされたという。簡単には売上が半減するわけで、商売が続けられない。「最初に言っていたことと違う」などと、同様の人と反対することになったが、担当者からは「もう事業は止められない」と言われたとのこと。何を言ってものらりくらりで、もうけ主義と感じる、と話す。
●さらには、エリア内の全地権者のうちの2/3の同意で再開発事業が成り立つとのことだが、港区のある再開発の事例では、再開発のディベロッパーが所有する土地や、新たに購入した土地を細分化して地権者数を増やし、2/3の同意を得やすくするとの方法がとられていたらしいこと(こうした方法をとられると、反対者がいくらいても、再開発が進んでしまう。デベロッパー側らは、そうした意図はなかったと言い張るようですが、私自身、ビックリしました)区の担当者は、法律上は問題ないという見解とのこと。ひとりの反対地権者は、「法律を犯してないから良いだろうというのはやめてもらい」と言い、土地を売って、別の場所に移ったとのこと。ただ東京都としては、さすがに問題視しているとのこと。専門家は、同意率について問題が生じているのであれば、法制度の厳格化を行なう必要があるという。

そして最後には専門家が、三宮駅周辺でのタワマン規制条例を設けた神戸市を例に、「都市経営」の大切さを説いていました。タワマン規制が注目を浴びてしまうが、具体的には、都市を面と捉え、人気の駅前だけでなく、市内のどこに居住エリアを設けて、都市の更新を図っていくかとの長期的視点での都市経営を考えているとのことでした。

このようなことから、今までの再開活について警鐘を鳴らすとの内容で、とても興味深く拝見しました。

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他方で、そもそもタワマン(もしくは通常のマンション)は、今回のような問題以外にも、災害に弱い、マンションは、住民が、将来の建て替えや修繕のために積み立てをするのが普通だが、建材費の高騰で、修繕などがままならなくなる、長期的に住むつもりでない人の修繕費の支払いが滞りがちなど、多くの問題が指摘されているわけで、「みんな、何を好き好んで、そんなリスクが多いタワマンに高額を支払うのか」と、個人的には意味がわからないということを以前から言ってきました。さらには今回の番組のように、タワマンの多くを作っている再開発事業そのものにもいろんな問題があるのだとすると、終わってるな~とさらに思った次第です。

さらには昨今では、大手ゼネコンでの施工ミス、ミスの隠蔽などが業界外でも耳にすることが増えたと思われ、その原因も、人手不足などいろいろあるようですが、そうしたタワマンも、きちんと施工されているのかわからないものもあるかも知れないと思うと、ぞっとするのでした。

東京五輪2020で推進本部長だった、馳現石川県知事が、官房機密費でIOC委員を買収したことを誇らしげに話して問題になったとか、大阪万博も、建設費が増大しているとともに、間に合うのか?あの大型リングは必要なのか?、自民党の各派閥での政治資金パーティーでの収入を、政治資金報告書に記載していなくて、裏金づくりの手法だったのではと言われるなど、最近問題が明らかになる、要は「めくられる」ことが多くなっている印象です。再開発もそうですが、こうしたことには必ずおいしい汁を吸っている人間がいて、それには政治家も当然からむでしょう。私ら市民は物価高騰に苦しみ続けるなどで、そろそろ、私らよりも若い人たちからのしっぺ返しがくるだろうと思います。

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