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2018年12月25日 (火)

「全館空調」を標準仕様にします―「設計事務所・建築家とつくる『全館空調の住まい』」

※この記事は、今後、発展的に修正していく可能性があります。
 (既に、最初の記事アップ以降、誤字や説明の追記、スペシャルサンクスのみなさまへの言及の位置を変える、参考事例の説明と写真の追加などをしています)

はじめに、このように私が考えるに至ったきっかけを作って下さった設計相談中のS様、そして館林の空間設計室の中村さん、建築コンサルタントであろうハウス・ベースを主宰している植村さん、話をつないで下さった夏井さんには特に厚く御礼申し上げます。長くなりますがご容赦頂くとともに、最後までお読み頂ければ幸いです。

この度、当事務所(磯貝地域建築設計事務所)では、年明け平成31年(2019年)より、当事務所が設計監理をさせて頂く戸建て住宅について、「『全館空調』を標準仕様とする」ことといたしましたのでご案内申し上げます。

「全館空調」とは、最近増えてきたのでご存知の方も少なくないと思いますが、簡単に言うと、「住まいのどの部屋、どの場所においても、同じ室温にするための冷暖房の仕組」のことです。従来から、高齢者の冬場のヒートショック抑止などの観点から勧められてきましたが、最近は、「家での生活の快適さ」を求めて採用する方が増えてきたようです。例えば、「トイレに行くのに廊下がヒヤッとして寒いのがイヤ」、「お風呂場や洗面脱衣室、トイレなどが寒いのがイヤ」などです(「空調」とは、(本来は換気も含めた)冷暖房のことを言います)。

どなたもご想像頂けると思いますが、全館空調は、人が使っていない部屋にも空調をするわけですので、個別空調(各部屋ごとにエアコンやストーブ、床暖房で行なう空調)に比べてどうしても光熱費が高くなります。しかし、さまざまな工夫により、その光熱費アップも圧縮できるようになってきました。

しばらく前から、地球温暖化対策としての高断熱化、ゼロエネルギー化(ZEHなど)は国の方針となっているわけですが、「エアコン1台で暮らす」や「床下エアコン」など、イニシャルコストをできるだけ抑えて、室内の温熱環境を良くしたり、エコハウス(自然再生エネルギーや自然素材などを利用して、環境への負荷を少なくしようとする住宅)などの実績もかなり増えてきて、さらにはそうした技術情報がオープンになってきました。こうした本は、書店でも普通に見つけることができます(ただ、申し上げないといけないのですが、建築の、特に地場の住宅業界は、未だに「アナログ」が主なので、教科書通りに現場は進まないのですが・・・)。

そうした背景や建主様のニーズなどを受けて、今回当事務所では、「全館空調」を標準仕様とすることにしたものです。

もちろん、「標準仕様としてお勧めをする」ということであって、全館空調以外の住宅のご依頼をお受けしないというわけではありません。

全館空調については、一部の先駆的な設計事務所さん以外は、一部のハウスメーカーや施工会社さんが勧めていますが、実はひと口に「全館空調」と言っても、いろいろなメーカーのシステムを使っていたりすることがほとんどなのですが、一般的には、全館空調の住まいを実現するには、そうでない家に比べて200~300万円ほど追加で費用が掛かるのが一般的です。ただ、先ほど申し上げたような一部の先駆者の方々の中には、創意工夫を重ねて、安価に全館空調を実現していらっしゃる方も少なくないようです。ちなみに「OMソーラー」なども知られていますが、OMソーラーはフランチャイズ制なので、フランチャイズ契約した施工会社でしか施工できないので、施工会社が自ずと限られてしまうのですが、OMソーラーと開発は同じで、そうしたフランチャイズ契約が不要で、どの工務店でも少しの指導料をメーカーに支払えば施工できるシステムもあるのです。「OMのような家が良いけど、施工会社は決まっているし・・・」などの悩みは、実は不要なのです。

そうしたことをふまえて、現時点で当事務所が考える、
●「設計事務所・建築家と『全館空調』の住まいをつくる意義」とは、「全館空調」を施工会社さん中心に選ぶと、他の標準仕様などが全部セットでくっついてきてしまう(もちろんそれで大満足の施工会社さんが見つかれば良いわけですが)。こうしたことから、設計内容や施工会社さん選びの制限を受けることなく、さらには、「いろんな全館空調の中から、細かなライフスタイルやご予算に応じて、全館空調の仕組を選択できる」という点にある
のではないかと考えています。

さらには、当事務所にご依頼頂くことのメリットとして挙げるとすれば、

●従来より、長い軒や庇、通風などを考慮した「パッシブデザイン」に力を入れてきた当事務所のノウハウは、「全館空調」を補完して、温熱環境の快適さや光熱費の削減に貢献できると考えること(参考ですが、私がパッシブデザイン、特に通風にこだわるのは、幼少期に暮らした家が、夏の午後や夕方などに涼しい東風を運んできてくれて、そこでの昼寝がとても気持ち良かったとの原体験に基づいているのだろうと思います)
●断熱については、以前よりその時代の最新基準に合わせた仕様を標準としてきたこと。さらには建主様のご要望に応じて、税制上の優遇を受けられる省エネ基準などに適合させ、合格してきたこと(今までは、「外皮計算」など一切外注せずにきました。今後は外注も視野に入れていますが、私がチェックしますので、品質に問題はありません)
●これらをふまえて、吹抜があっても温熱環境も快適な住まいを少なからず手掛けてきましたが、さらには、必要に応じて「吹抜調査」などを行ない、引渡し後でも相談に応じたり対応してきたこと
●当事務所のもともとの標準的な仕様としては、あとは太陽光発電パネルを載せれば、ほとんど増額なくZEH(ゼロエネルギーハウス)になるようにはなっていますが、私自身は「ZEHプランナー」として登録していますので、もしZEHにして補助金を受けたいなどの場合にも対応がしやすい(補助金は必ず受けられるわけではありません)

などがあるかと考えています。

私が社会人になったころには、「高気密・高断熱の家」というのが流行っていました。しかしそうした家の多くは、「断熱性能を上げるために窓を小さくする、中間期であってもエアコンを使う」という、日本の気候風土に合った開放的な住まいとは相反する条件を前提としていました。もちろん、花粉症がひどい方や周囲が砂ぼこりがひどいなどのケースにおいてはそうした家も一定の意義はあるかとは思いますが、当事務所が目指すのは、「春・秋などの中間期を中心に、あくまでも軒や通風などの「パッシブデザイン」や「外部とのつながり」を重視した上で、特に酷暑や厳冬やその周辺時期の室内環境の悪化を「全館空調でカバーする」ことで、室内環境を快適にするとともに、イニシャルコストや光熱費などを可能な限り抑えていく。そしてデザインや使い勝手、細かな工夫などは、今までと同じく、建主様のご希望に沿っていく」という住まいです。

ご存知の方も多いと思いますが、冬についてですが、「北海道の家は断熱をしっかりさせ、光熱費を惜しまず掛けて暖房して、冬は家の中でTシャツで過ごしている」といいます。とても優秀な先輩建築家が北海道で活動していて、「北海道は、断熱や暖房が死活問題になるから真剣度が違う」といったような助言を下さったことがあります。光熱費を湯水のように掛けてよければ、どの家でも全館空調のような状態にすることは簡単です。ただ、やはり光熱費は安いに越したことはないのです。そして、通風もままならない密集地で、高いプライバシーが求められることの多い東京などの大都市でも、空調には力がそそがれてきたものと思われます。もちろん群馬には、北部には雪の多い地域もありますが、基本的には「全館空調までは必要ないだろう」と考えている専門家が多かったように思います。しかし技術は進み、比較的安価で採用でき、光熱費などを抑える工夫も発展して来ました。そして地球温暖化によると思われる、近年の酷暑、特に海がなく、一部では東京のヒートアイランド現象の影響も受けて夏に高温になる傾向が高い群馬県においても、「全館空調」を標準仕様としても良いのではないかと考えるに至りました。せっかく家を建てるのですから、できるだけ快適に暮らしたいと思うのは誰でも同じなのだろうと思います。

そうしたことで「標準仕様」として始めますが、当事務所においては、全館空調や断熱性能向上などに真摯に取り組んでこられた施工会社さんと技術交流・情報交換を常に行ないながらさらに発展させていきたいと考えています。まずは年明け着工予定の安中市の住宅から、施工会社さんが建主様にご提案して採用された事例ではありますが、「全館空調の住まい」を始めます。

それと、今まで当事務所に設計監理をご依頼頂いた建主様には、「うちの家は全館空調ではなかったのに・・・」と残念に思われる方もいらっしゃるかと思います。でもご心配は要りません。当事務所で建てさせて頂いた住宅は全て、基本的な断熱性能を高くし、かつしっかりと監理をしてつくってありますので、全館空調の必ずしも前提条件ではありませんが、「そうなら絶対にその方が良い」高い断熱性能を持たせてあります。そして、「廊下をできるだけつくらない間取り」がほとんどであることも良い方へ影響します。もし当事務所の建主様で「全館空調」のような暮らし方、温熱環境にご興味がある方がいらっしゃったら、ぜひお声掛け下さい。責任を持って、「全館空調と同じような住まい方へのアドバイス」をさせて頂きます。

何と言っても当事務所がこうした方向に進もうと思った最たる原因は、「私自身が住んでいる家が築20年くらいで、ペアガラスではありますが、今どきの断熱仕様に比べるとかなり弱いので、冬は寒くて夏は暑い。特に、年齢とともに冬の寒さが体にしみるようになってきて、「この寒さがイヤ!何とかしたい!」のです(苦笑) 

もちろんお気付きでない方が多いと思うのですが、いろんな本などでも指摘されているのだろうと思いますが、家を建ててお子さんが生まれたりなど家族が多いと、誰かがどこかを使っていることが多いので、家の中の温度差は少なくなる傾向はあるのだろうと思っています。2階建ての冬の場合、1階のLDKが暖まっていれば、2階の個室などもほんのり暖まりますし、夏には逆のことが言えます。しかし多くの場合、子どもは成長していつかは家を出ることがほとんどですし、高齢になれば、伴侶が先立つなど、家族の人数が少なくなることが通常です。ですので、家族の人数が減るほど、家の中の温度差が際立って感じられるようになるのだろうと思います。

以上、長くなりましたがお知らせまで。ご興味をお持ちいただけた方がいらっしゃったら、当事務所WEBサイトの問い合わせフォームより、無料相談をお申込み頂ければ幸いです。以前からお知らせしていますが、既存の住宅であっても「吹抜が寒いので何とかならないか」などとのご要望に対しての調査やリフォーム提案・施工会社のご紹介と見積チェックなども行なっていますので、ご相談頂ければと存じます。
(リフォーム・リノベーション事業についての過去の記事)
http://isogai-a-and-l.cocolog-nifty.com/isogai/2017/02/post-55e4.html

今後ともより良い建物づくりに努力していく所存ですので、当事務所を宜しくご愛顧頂きますようお願い申し上げます。

磯貝地域建築設計事務所WEBサイト

※添付の写真は当事務所設計監理の「土間のある家」です。UA値=0.83W/(㎡K)で、断熱等性能等級4の認定を受けて、税控除なども受けています

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