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2016年12月23日 (金)

糸魚川大規模火災

昨日発生した糸魚川での大規模火災の映像は、とても衝撃的なものでした。1軒からの火災が大火になっていく主な原因については、ニュースでも分析が見られましたが、「強風」ということが最大の要因だったようです。同じような出火でも、乾燥が続いている時期かどうか、雨が降っている時であれば被害も違うであろう、さらには今回の糸魚川では、消防用水の不足もあったようにも聞きます。いずれにしても昼間であったこともあってか、人的被害が最小限に済んだらしいことは不幸中の幸いでしたが、いずれにしても痛ましいです。

古い木造建築が密集する地域であることも火災の大規模化の原因ですが、学生の頃には、「界隈」、「路地」といった言葉もよく聞かれて、あのようなヒューマンスケールの風情ある街並みに対して価値を見出す動きと、他方でやはり火災に対して強い街にするべきとの動きの両方がありました。それでも最近は、後者の動きの方が主流になっているようです。ただ個人的には、散歩番組が人気があることなどからも、路地空間のようなものへの良さも見直されているのだろうと思います。

木造密集地域では、消防車も入っていけない細い道も多いため、まずは延焼を防ぐ意味からも道を広げて、次に建つ建物は防火性能を上げていくなどの方法がとられているようです。でも、こうした作業には、多くの権利関係者の協力が必要ですし、数年のうちに何とかなるようなケースはほとんどないでしょう。だからこそまずは、こうした地域では、住民の方々の火災への意識を高め、また、初期消火で火災を鎮圧できるようなネットワークや設備の整備が進められてているわけです。木造密集のデメリットばかりでなく、そのデメリットをできるだけ小さくする方向での努力も期待したいと思う次第です。

それと、今回の件では、「瓦屋根からの延焼」についても改めて感じました。例えば群馬県内だと、用途地域が指定されている区域に建物を建てる場合は、屋根は不燃材料を使うこと、さらには隣地との間に一定のスペースをあけられない場合は、外壁にも一定の防火性能を持たせることが義務付けられています。そうした中で、昔ながらの瓦屋根は、もちろん不燃材料として扱われているのですが、その葺き方によっては、瓦と瓦の隙間から飛び火が入りんで延焼することがあるそうです。今回のような強風時には、飛び火も広範囲に広がりますし、瓦の隙間に入り込んでしまう可能性も高くなるのだろうなと思います。今後瓦については、こうした点も意識しての設計や製品選びも、建主様のご要望に応じて考えなければならないなと思った次第です。

いずれにしても、まずは自分の家から火災を出さないよう注意しなければと思いました。

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