材木見学
「高崎の家」は、今日は基礎の立上りコンクリートの打設です。そんな中、基礎工事後に行なわれる「建て方」に向けて、施工会社さんにお声掛け頂き、建主様と材木の見学に行ってきました。
こちらの現場の施工会社さんは、特に木造では名の通った会社で、構造材の継手・仕口の加工は、現在主流のプレカットと呼ばれる機械によるものではなく、全て昔ながらの大工さんによる手加工です。
そして、使う材木にもとてもこだわりのある会社とのことで、実際に見せて頂きました。通常は、こうしたタイミングで「材木検査」をすることが多いですが、「検査」というよりは「見学」との雰囲気になっています(苦笑)
結構知らない方が多いのですが、人も同じ「ヒト」でも、足の速い人遅い人など能力に違いがあるように、例えば同じ「杉」という樹種でも、育った環境や育て方により、1本1本で木の強さなどの性質が違います。無垢材を使っての構造計算は、そうした中で「一番弱い木だった場合の強度」を想定して行われます。こうした1本1本の木の性質の違いを「バラツキ」と言いますが、木の強度がきちんとわかる大工さんが適材適所で木を使ってくれるなら良いのですが、今ではなかなか難しいので、そうした「バラツキ」をなくしたのが、強度がしっかり把握できる「集成材」だということです。このように集成材は基本的には、「バラツキがなく強度がしっかりわかる」というのが特徴だというだけで、必ずしも「集成材は強い」というわけではありません。接着剤で貼り合わせても、元の木の強度以上になるわけではありませんので。それと、経年での寸法変化(いわゆる「狂い」)を少なくしやすいのも集成材の特徴です。
1枚目は柱に使う杉、2枚目は梁に使うベイマツです。とても目がつんでいます(年輪が細かくてしっかりしている)。無垢材の人工乾燥も自社の設備で行なっているそうです。3枚目はおまけですが、やはり梁に使う「梁せい600」のベイマツ集成材です。これも上で書いたように、集成材が必ずしも強いから使うというのではなく、せいの大きい無垢材はなかなか取りづらいので値段が高くなりますし、経年変化での変形が出る可能性が低い方が良いので集成材にしているというだけです。
材木は、こちらの会社の会長さんご自身が買い付けに行かれたりするのだそうで、とても質の良いものを、しかも和室の床柱や杉の天井材なども含め、設計図や見積よりも良い樹種・仕様のものを使って下さることになりました!そしてその他にも、結構な値段になりそうなテーブルやコタツなどもサービスして下さるとのことで、建主様も大変喜んでいらっしゃいました!施工会社であるのに、自社で材木のストックをたくさんしているので、こうしたことがしやすいのだそうです。
ということで、施工会社さんから材木などについていろいろとお話をうかがうこともできましたし、建主様にとっても、自分の家に対する理解や愛着が深まって、とても良い機会だったのではないかと思います。みなさま、ありがとうございました!引き続き、宜しくお願い申し上げます!
最近のコメント