消費税の思い出
消費税を現行の5%から8%に引き上げる法律が可決し、景気動向をふまえてとの前提ではあるものの、来年の4月から消費税が引き上げられることが既定路線となって来ています。住宅についても、その半年以前に契約したものを除き、引渡しが来年4月以降になる場合は、新しい税率が適用されることとなっています。そして、そうした政治の動きを受けて、「増税前の住宅取得」を念頭に動いているお客様もかなりいらっしゃるようです。
消費税といえば、前回の3%から5%への引き上げの時は、私はゼネコンのサラリーマンで、木造住宅をつくる部署にいました。そこで見たのは、「増税前の駆け込み需要による乱雑な施工」でした(苦笑) もちろんこれは、会社の姿勢や体制などによると思いますし、いくら需要があっても、「当社では年間〇棟しか建てられない」とお客様に待って頂いている会社もある(でもこれも、ある意味営業戦略でもあるでしょうけど 苦笑)わけですので一概には言えません。
しかし、建売やマンションを時間にゆとりを持って購入するなどではなく、注文住宅と呼ばれる、いわば設計段階から自分たちの要望を入れ込み施工をする、要は「出来上がった製品を購入するわけではない」場合については、私の以前の職場のような状況になってしまう可能性が多分にあることを理解しておくと良いのではないかと思ったりします。
諸事情により、私が全くノータッチで、この元勤務先の施工で出来上がったわが家では、増税と関係があったかはもちろん確定はできませんし、今よりも木材の加工技術が劣っていたということもあるとは思いますが、増税前の駆け込みで木材の乾燥が甘かったようで、入居後に木造の梁が変形を起こし、さらには梁というものは、乾燥による変形が起こった場合には、床が上に盛り上がるように梁を掛けるのが基本であるにもかかわらず、床が下がるような変形を起こし(要は、プレカットの担当者が、そこまで木材を見切れなかったということかと)、大掛かりな補修をしてもらうことになってしまいました。繰り返しますが、もちろんこれは単なる一例です。
例えば3,000万円の住宅だとしても、消費増税による負担増は90万円。多くのお客様にとって大きな金額であることはもちろんです。しかし住宅とは業界が異なりますので安易に比較はできませんが、エコポイント終了に伴う需要減でかなり金額が下がってしまったテレビや自動車のようになるとは言えないと思いますが、それでも、職人さんらが仕事に追いまくられている状況ではなく、できるだけ丁寧に仕事をできそうな時に家づくりを頼んだ方が、個人的には賢明なのではないかと思っています。今朝のニュースなどでもありましたが、消費増税による住宅取得者の負担を軽減するための税制面などでの諸策も、これからさらに整ってくると思われますし。でも聞いている範囲だと、今回は、以前のような駆け込み需要ではないようでもあります。
な~んてことを思ったりしているのでした(笑)
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