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2012年5月 3日 (木)

見積チェック

GWも、耐震改修の現場に調査に行ったり、その他もろもろ仕事をしています。明日からは天気が良くなるようなので遊びに行こうと期待しているのですが・・・。

さて先日、「クラガノキューブ」の実施設計を終えて、施工会社さんに見積を依頼しました。監理業務をご依頼頂いている場合は、提出して頂いた見積書は、建主様に代わって内容をチェックします。

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ずいぶん前の記事でも書いたと思いますが、見積書は、「数量×単価」の積み重ねなので、数量、単価、それらの合計のそれぞれについて、妥当性をチェックします。

個人的に重視しているのは「数量」でしょうか。数量は、材料によって個・箇所、m、
m2、m3、kgなどさまざまな単位で計測(「数量を拾う」と言います)されますが、やはり専門性が高いので、特に建主様にはなかなか確認しづらい部分も多いためです。掛けられる時間にもよりますが、主要な材料のほとんどを、私の方でも計測し、見積書に誤りがないか確認していきます。基礎の鉄筋の量などももちろん計測します。

単価も、相見積の場合は会社さん相互で、その他同様の別工事も参考にして妥当性を確認し、必要あれば見直しを依頼します。数量や単価の見直しにより金額が下がれば建主様にメリットがありますが、見積に大きな落としがあって施工会社さんの負担になりかねない場合なども、その負担を工事のどこかで挽回したくなってしまうのが人の性ですので、そうした落としもこの段階で指摘します。見積チェックの目的は、あくまでも「適正価格で工事をしてもらうこと」にあると思っています。

しかし見積チェックを機能させるためには、施工会社さんに「○○一式」など大雑把ではなく、ある程度細かな見積書を出して頂く必要があるので、施工会社さんもやや大変です。でも基本的には、それが正しい見積のあり方だろうと思っています。おおよその仕様でいくらとの見積書だけ提示されて、何十万、何百万の値引きをしてもらうことで施工会社を決めるようなやり方の仕事を近くで見ていた時期もありましたが、多くの方がご承知の通り、値引き要求をされることを前提に割増された金額から値引きを起こされても、もちろん何の得にもならず・・・。こうした風潮が未だにあるので、基本的には、根拠のない値切りも、個人的にはあまりオススメしていません。

今回は、建主様や、施工会社さんの自主的な再検討もあって、結果的にはかなり金額が下がりました。建主様にもとても喜んで頂きました(お支払頂いている設計監理料をそこそこ取り戻した感じでしょうか?笑) もちろん、全てのケースでこのようになるわけではありませんが、こうした業務も設計事務所の重要な仕事のひとつです。

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