「エアコンのいらない家」
すっかりブログに書くタイミングを逸しましたが、来年用ということで(?)
節電が叫ばれた今夏、
「エアコンのいらない家」(山田浩幸著 エクスナレッジ)
という本が出版されたので、手に取ってみました。
内容的に目新しさはあるかと言われると・・・、という感じかなと思いますが、
熱や湿気などの性質や扱い方の基本が、豊富なイラストとともに、
一般の方でもわかりやすいようにまとめられているので、
家づくりをご検討中の方に読んでいただいても良いだろうと思いますし、
われわれもたまに見返して、確認に使うのも良いように思いました。
さらには、既に家を建てられた方にとっても、
今お住まいのその家で役立ちそうなアイデアもあります。
著者の方が推奨する方法に基づいて設計された家も掲載されていますが、
意匠が限定されたりなどあるので、
噛み砕いて、もしくは部分的に利用するのが良いように思いました。
今年は、グリーンカーテンなどいろいろな節電対策が、
テレビでもたくさん紹介されたのでご存知の方も多いかも知れませんが、
住宅などにおいて、下のような植栽の効果は、
以前からよく言われています。
要は、建物北側にある植物の「蒸散作用」により冷やされた空気を、
日射により熱せられて起こっている南側の上昇気流に引っ張らせることで、
室内に涼しい空気を引き込むという方法です。
これは、「対流」という原理に基づくもので、「温度差換気」なども同じです。
いわゆる「風通し・通風」とは別の話なので、
風が通らない敷地や、無風の日などでも効果を得られる余地があります。
この本でも、蒸散とは関連させていませんでしたが、
盆地で夏暑い京都の町家の、
対流による涼の取り方について紹介されています。
もしかすると、打ち水なども、行なう場所、時間帯を工夫すると、
効果が大きくなるのかも?と思ったりします。
(夏の暑い日中に、南に打ち水してもダメと言っていたテレビ番組もありました)
私も普段の設計で、あまり強調はしませんが、意識はしています。
家づくり、そこでの暮らしの中でこうした「パッシブデザイン」を考えてみるのも、
楽しみが増えて良いのではないかと思いまーす!
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