「建築家 白井晟一 精神と空間」展 2
前回のつづき・・・。
展示を見ても白井さんの『精神と空間』がわからないのは、まず、白井さん本人や作品についての解説が、展示の中にほとんどないからでしょう。どうも主催者さん側は、この展示を絵画などの芸術作品の展示と同様に扱おうとしているのか、ある程度、白井さんについての予備知識がある人たちが見ることを前提としているのかわかりませんが、意図的にそうしているようにも感じられます(例えば、先日訪れた根津美術館などは、もっとわかりやすかったよなぁと)。会期中に、建築史家さんらによるシンポが設定されているものの、おそらく、建築の世界でありがちな、「普通の人にはわからない、役に立たない話」で終わってしまうのではないかと思ってしまいます。関連の資料などには、「今こそ白井建築再考の時」みたいなフレーズが散見されましたが、結局、今、白井展を行なうこと、白井さんの建築界での位置付けを改めて行なうことが、時代的に要望されているわけではないのかな?と思ったりもします。
とはいえもちろん、白井さんという歴史的にも著名な建築家の展覧会を、しかも群馬という「地方」で開催して頂けるのはとてもありがたいことです。地方で、それでいて群馬ではメジャーな近代美術館での開催なのですから、建築関係者のみならず、たくさんの一般の方にも見ていただいて、建築や建築家とういうものをさらに知っていただけると良いのではないかと感じますし、建築家展は、そこに意義を見出すのが最も明瞭なのではないかと思います。
ということで、全くもって余計なお世話ですが、こうした意味での白井展をどうしたらより楽しめそうか、お粗末ながらちょっと考えてみることにしました(笑)
ちなみに、群馬県立近代美術館の設計は、周知の通り、(世界の)磯崎新さんです。
つづく。
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