「建築家 白井晟一 精神と空間」展 1
群馬県立近代美術館で「建築家 白井晟一 精神と空間」展が始まったので、先日さっそく行ってきました。
白井晟一(しらいせいいち1905-1983)さんは、モダニズム建築時代を先導した前川國男さんや丹下健三さんらとほぼ同時代の人ですが、それらとは一線を画した独特な作風の建築家で、それ以外にも、若い頃にドイツで哲学を学んだなどの経歴や、自らの作品について多くを語らない傾向にあったこと、さらには書や装丁などの作品も多いことなどから、「哲学的」、「異端」、「孤高」などと評されることの多い建築家です。(でも聞いた話では、実際は結構ノリの軽い人だったんだとか(苦笑))一連の建物群で学会賞も受賞した親和銀行の「懐霄館」、木造では「呉羽の舎」などが代表的な作品として挙げられるようです。
私も学生の頃に、何の気になしに観に行った渋谷の松涛美術館に感銘を受け、故郷群馬でも旧松井田町役場(安中市と合併したので、正確には旧々役場)も設計していたのを知ってこれも見に行ったりして、結構好きな建築家のひとりです。群馬ということでは、以前の煥乎堂書店の設計などでも知られていますし、ブルーノ・タウトの日本での唯一の弟子とも言われる水原徳言さんによる著書もあります。
展示は、白井さんの建築作品の写真や模型のみならず、描かれた図面、書など多岐に渡っています。原爆堂計画などは、白井さん側の希望で独立したブースで展示されていたり、結構気合が入っている印象でした。でも見終わって、「『精神と空間』というタイトルは何だったんだろう? 白井晟一が考えていたこと、そしてそれと創り出される空間との関連を理解させる展示ではなかったの?」とふと思ったり・・・。
つづく。
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