建物の概算
先日、現在基本設計中の住宅の、建物の概算費用を算出して、お施主さんと打合せをしました。
設計から工事との実際の流れでは、基本設計をふまえて実施設計を行ない、施工業者さんに見積をしてもらって、初めて正式な工事金額を知ることができますが、基本設計の段階からおおよその建物費用を把握しておくことは、とても重要です。
建物は部材や工程が多いので、実際の見積書はかなりのページ数になるのが一般的ですが、その基本部分はごく単純で、部材や作業の「数量」に、それの「単価」を掛けたものを足し算していくだけです。私の事務所では、要望された仕様から考えた一般的な坪単価で、予算にあう床面積を割り出してから基本設計を始めますが、ある程度の段階で、必要となった場合には、基本設計図からおおよその数量を私が拾い出し(要は、材料や作業を地道に「数える」ということ)、それに実勢の単価を乗じて金額を出すとの、さらに正確さを増した概算見積をすることにしています。
設計者による概算見積なので、そのまま施工業者さんの見積と同じ金額というわけには行きませんが、施工業者さんの見積のおおむね±5%を目標に、部分的に専門工事業者さんから見積を取る場合はそれを除いて、丸1日程度で概算が出せるようにExcelでフォーマットを作ってあります。とはいえ、集中して取り組めるその1日を確保するのが結構大変だったりするのですが・・・。(もちろん施工会社さんが自分の会社での見積を作成する場合には、さらに正確さが要求されますので、見積に大変な労力・日数が掛かることが多いです)
とかく設計事務所は、デザインなどに対する期待が大きく、それもあってか「実際に見積をしてみたら、かなりの予算オーバーになってしまうのでは?」と感じている方も多いともい言われますが、建物の予算やその他の諸経費なども含めて、お施主さんの予算を踏まえての「コストコントロール」は、設計事務所の大事な仕事のひとつです。私もさらにしっかりと、こうしたスキルも向上させて行きたいと思っています。
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