SE構法登録建築士とNCN植村さん
現在施工中のSE構法の戸建住宅兼モデルハウスで、SE構法のプランニングなども行ない、構法に興味を持ったため、SE構法の提供元であるNCNが開いている、 『SE構法登録建築士』(SEASパートナー)になるための講習会に1月中旬に参加してきました。場所は東京の赤坂見附です。ビルの8階にあり、窓からの眺めも良いです。
午後13:00~18:00まで、途中で休憩を挟むも、みっちり5時間の講習で、SE構法の基本的な特徴や、実際に設計や施工をする場合の注意点などを学んできました。こうしたことがわかっていると、 基本設計の段階から、より適切に設計することができそうです。構法自体も講習会も、なかなかシステマチックにできている印象です。いろいろ面白い点はありましたが、「鉄骨造より安価でできる」(もちろん、そうでない場合もあるでしょう)ということがわかったのが、一番の収穫かも知れません。
SE構法は、鉄骨造に近い感覚で設計ができる、集成材と専用の接合金物でできた木造の構法のひとつ(準ラーメン構造)です。在来構法に比べると、梁のスパンが飛ばしやすく、耐力壁も少なめにできたりすることから、大空間や大開口を設けやすく、設計の自由度が高いことが大きな特徴です。木造は鉄骨造よりも建物の重さが軽いので、同じ地盤の強さの敷地でも、基礎も小さくて済みます。これで鉄骨造より安くできるのなら、「大きな空間や3階建が良いけど、木のぬくもりも欲しい」という場合など、適材適所でお施主さんに勧めてみる価値はあると感じました。あとは、集成材や接合金物により、「建物の強度が的確に把握しやすい」との利点も大きいので、「自分の家の強度をしっかり把握したい」という方にも向いているでしょう。
余談ですが、「建物の強度を把握すること」は、「建物の強度の根拠をハッキリさせる」ということであり、「建物が強い」ということとは異なります。建物を強くするには、構造計算など、強度の根拠を明確にできる方法を用いて、さらに「強度が強くなるように設計する」(建物の強度は、お施主さんや設計者が選べる)わけです。集成材を扱う業者さんなどでは、「集成材は無垢材より強い」とうたう人もいますが、これが正しくないことは、多くの建築関係者がごく普通に知っています。
さらに余談ですが、講習会の途中でトイレに行ったら、となりで著名な構造家である播繁さんが用を足していました。ビックリです(笑)
この講習で、群馬ほかをカバーする設計事務所担当の営業マンと会うことができましたが、なんと、高校も大学も私の後輩だそうで、植村さんといいます。仕事熱心で説明も上手です。NCNという会社自体も含め、ガツガツ営業をするタイプでもないようなので、そういうところも好感が持てました。ブログに載せたいということで、SE金物を持って写真を撮らせてもらいました。これからもSEについて、いろいろ聞いていきたいと思います。
設計者向けのこの講習は定期的に行なわれてるそうです。講習費用は¥3,000なので、講習の内容やもらえる資料を考えるとお手頃だと感じましたが、往復の時間や交通費がむむむ・・・、です。でも、他の構法への理解を深めるのにも、こうした別の構法をある程度しっかり知っておくことは必要ですので、参加してみて良かったと思いました。
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