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2007年11月 4日 (日)

学生設計コンペ

071111_0122_2    土曜日に、(社)群馬建築士会青年委員会主催の学生設計コンペの審査に行ってきました。審査は、群馬建築士会の会長や、女性委員会の幹部の方々、そして我々青年委員で行なわれました。いつもはコンペで審査してもらう側なので、初めての経験です。

 今回の学生設計コンペは、建築士会の社会貢献活動の一環として企画され、県内の専門学校生を中心に、大学生や高校生から、総数約40点の応募がありました。テーマは『自然を意識した木造住宅』です。審査方法は、ここに書いて良いのかわからないので書きませんが、各審査員が、自分が良いと思って選んだ作品に対してコメントを付けるとの方法を採っています。応募して下さった学生さんに、少しでも励みになればとの意図から設けられたもので、とても良いアイデアだったのではないかと思います(って、ご本人達に聞いてみないとわかりませんが)。

 応募作品の傾向としては、「自然を意識した・・・」とあるだけに、庭を大きく取って植栽を施したもの、中庭を設けて室内空間と自然のつながりを強めたものなどが多く目立ったと思いますし、方向性としてはもちろん妥当だと感じました。でも、単に植栽をして、それに対して大きな窓を設けるなどのみだと、設計の提案としては今ひとつなので、偉そうかも知れませんが、そこはやはり学生さん、これからの頑張りを楽しみにしたいところです。それでも中には、プロも一目置くような提案もありました。そうした作品が順当に賞に選ばれたと感じました。また、他の審査員が、どのような点を考慮して選んだのかを話し合ったりするのも、大変勉強になったと思います。

 自分が学生の頃には、こうしたコンペや授業の設計課題などでは、恩師に「常識的なものにとらわれる必要はない。どうせ社会に出たら、そうした制約に阻まれて、自分の思う通りの設計なんてできる機会なんてそうはないのだから、今のうちに発想力を養っておけ」と言われたのを今でも良く覚えています。経験を積んだ技術者から見れば、当時の私たちが描いていた図面など、チャンチャラおかしいものだったのだと思いますが、それでも、学生達が考えたことに真摯に見入り、良し悪しについて考察を加えてくれた先生達に、改めて感謝したい気持ちになりました(私は大学などの先生は、一流の成果を上げられれば、一流の教育者でなくても構わないと思っているので)。とは言っても、建築のコンセプチュアルな面ばかりを強調しすぎて、実務の下地を教えるのを軽んじる傾向がある学校に行くと、社会に出てから私のように苦労するのですが。というか、学校のせいではなくて、本人の心掛けの問題か(笑) 私もまだまだ一生懸命勉強をしていかなければならない若造ですが、気持ちを新たに頑張って行きたいと思いました。

 今回応募された作品は、11/20~26まで、県庁32階の展望ホールで一般公開されます。応募した方はもちろん、同世代のたくさんの方に見に行って頂いて、いろいろな刺激を受けて、少しでも今後の糧にしてもらえればと思います。

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