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2007年10月 5日 (金)

CPD実績証明書

File0091  今日、建築士会のCPD制度に関する実績証明書を発行してもらいました。 CPDとは、Continuing Professional Development の略で、「継続能力開発」と呼ばれ、建築士の資格を取得した者が、その後も、技術向上のために、日々勉強をしていくという仕組です。お医者さんなどにも、こうした制度があるのだそうです。日々仕事をしていれば、自然と技術力がアップして行きそうですが、一度得た技術は、それを更新しなくても使っていくことができるものも多いわけで、それ以降、特段の努力をしなくても仕事を「こなす」ことができたりもしますし、また例えば、同じような種類の建物の設計ばかりに携わっていると、それについての新しい情報は得られても、それ以外のことについて、技術鍛錬がおろそかになったりしがちです。しかし、社会は刻々と変化していますので、建築の専門家として、より多くの分野で最新の技術について行くためには、やはり常々努力をしていく必要があるわけです。「若い頃は天才と言われたんだ」なんて言いながら、お医者さんに、30年前の方法で手術をされたのではたまりません(笑)

 CPDの内容は、簡単に言えば、建築に関わるいろんな講習会や見学会に参加したり、技術資料を読んだりなど、建築士会が認定した研修を受けると、それに応じてCPDのポイントが与えられるというものです。日本建築士会連合会のHP中の、CPD制度の紹介ページには、「CPD制度は、努力している建築士の証」なんて書いてあります。もちろん、CPD制度に参加していない建築士も多くいて、そうした方々が努力をしていないわけではありませんが、要は、専門家が努力をしていることが一般の方にわかるように、建築士会が「努力に対して一定のお墨付きを与えてくれる」制度だと理解しています。

 この制度は、「専攻建築士」の制度ともリンクしています。専攻建築士も同様に、設計(意匠、構造、設備など)、施工、行政マン、学校の先生など、様々に専門特化している建築士の実状をふまえ、「どの分野を専門としている建築士なのか」を、一般の方が理解しやすいように専門家自らが表示できる制度ですが、専攻建築士は更新制で、5年間で、研修に実務も加えて250単位を取得することが求められています。今回のCPD実績証明書発行は、平成18年度に、1年あたりの必要単位数50単位を取得できていることを証明してもらうための手続だったということです。

 導入されてまだ数年しか経っていないこともあってか、まだまだ一般の方には馴染みが薄そうな制度ですが、継続的な技術習得のための励みになりますし、今後もしっかりと続けて行きたいと思っています。CPD制度は、参加登録している建築士が全国で約3万名で、8,000名以上の専攻建築士が誕生しているそうです(2006年現在)。そう遠くないうちに、一般の方が仕事を依頼する際の大切な目安のひとつになってくれれば良いなと思います。

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